月別アーカイブ: 1月 2018

ボストン旅行~「補足観光」編

今回の年越しは、「ボストンでカウントダウンを」というのが一つのメインテーマだった。ボストンではFirst Night/First Dayというイベントが毎年あり、カウントダウンや花火以外にも、Frog Pondでのスケートショーや室内でのコメディーショー、コンサートなど、沢山の催し物があちこちで行われる。有料の時もあるらしいが、今年は幸いなことにすべて無料で入場できたので、楽しみにしていた。

しかし、予想外の寒さのため、30日になってBoston Commonでの花火とパレードが中止になることが発表された。そして、我々も31日に友人を訪ねてから午後のコンサートに行く予定だったが、友人宅に長居をし過ぎて計画倒れ。First Night/First Dayに着いた時には辺りはすでに薄暗くなる時間だった。その上に寒風吹きすさぶCopley Squareで、我々の好みではないグループが演奏をしており、雰囲気がイマイチ。さらに、カウントダウンまではまだ7時間以上もある。

この時点で、我々の気持ちは萎えた(苦笑)。翌日は長いドライブをして帰宅しなくてはいけないということもあり、わざわざカウントダウンをする程でもないかという気になり、夕食をしてさっさとホテルに引き上げたのであった。

そして、暖かいホテルの部屋で穏やかに元旦を迎えた我々は、ブランチ後にRochesterに向けて出発…とはならず…

カウントダウンが不発となって余力があったため、少し寄り道をしながら自宅に戻ることに。時間の制限があるので訪問というより「通過」するだけなのだが。

最初の寄り道地点は、独立戦争の激戦地となったレキシントン。車で20分ぐらいであった。元旦なのでビジターセンターも開いておらず、ミニットマンの像の写真を撮っただけで、ここは終わり。

次は、さらに10分ほどドライブした先のコンコード。町の中心地へは行かず、Walden Pondへ。予想外に観光客(あるいは地元の人々)が訪れていて、ビジターセンターもオープンしていた。そして、湖自体はカチコチに凍っており、氷上でスケートをしている人もいる。我々もツルツルした氷の上を歩いてみた。

以前、夏に来た時にはThoreauの小屋まで歩いたが、今回は寒いので、それは省略。どの季節もそれぞれに魅力的なWaldenである。それにしても、車があれば40分もしないうちにボストンから到着するのかと驚いた。前回は列車でボストンからコンコードに行き、駅からは19世紀のThoreauと同様、湖まで徒歩だったので、優に2時間はかかったような気がするが…。

この凍結したWaldenを後にし、次に向かったのはEmily Dickinson HouseやAmherst College、UMassなどがあるAmherst。前回は2月にピーターパン・バスを乗り継いで訪問した場所だが、今回もまた冬に来てしまった。再び、町全体が凍り付いている。

学士と修士論文でDickinsonの詩を扱ったので、彼女の家にも町にも思い入れがある。だが、季節の悪い時期ばかりに訪問しているため、いまだ家の中を見学できていない。次回は必ず夏に来て、Homesteadの美しい花々も愛でたいものである。

この後はコーヒーで一服し、まっすぐRochesterへ戻ったが、あいにくNY州に入り、Albanyを過ぎたあたりから雪が降り始める。途中で寄ったサービスセンターの人でさえ予想していない雪だったというから、突然降り始めたのだろう。あまり車はいなかったが、車線が全く見えず、どこを走っているのか分からないような猛吹雪となり、ノロノロと進まざるを得ない。帰宅したのは夜中の12時過ぎという長い旅路となった。

ボストン旅行~「ショッピング」編

旅行中にショッピングをする予定はあまりなかったが、二人で夢中になってしまったのが書店での買い物。家の近所にはBarns&Nobleしかないので(それでも大きい店舗がいくつかあるので恵まれているとは思うが)、日頃はどうしても本の購入はより安価なAmazonを通して行ってしまう。だが、ネットでの本を買うと、どうしても自分が見つけたいものと、その関連書籍だけにしか目が行かない。それどころか、自分の欲しい本を購入した他の読者が同時購入したものが自動的に表示され、とんでもない本に連れて行かれて(それが良書の場合は得をする気分にもなるが、大抵は)時間を無駄に取られたり、不愉快な気分にさえさせられる。

こうした普段からの鬱積が溜まっている故、専門書がズラッと並ぶ書店に久々に足を踏み入れた時の感動は並々ならぬものがあった。片っ端から立ち読み、いや座り読みをしたいのだが、そんなことをしていたら二人とも旅行中はずっと書店に通うことになる雰囲気。時間を区切って、二つの書店を閉店前の4時間訪問したが、瞬く間に時間が過ぎてしまう。

Harvard Coop Bookstoreにて―2階部分にはカフェもあるので、好きな本をじっくり(もちろんコーヒーのシミを付けないよう気をつけて)吟味することも可能。

図書館の書籍の香りも大好きだが、新しい本の香りも宜しい。「著者サイン入り」という印に引き寄せられ、ソフトカバーがもうすぐ出るのは分かっているのに、ついハードカバーを購入してしまう。

文学関連書も覗いたが、この10年でセレクションがガラッと変化している。何ら驚くべきことではないが、当時、当然のごとく本棚に並んでいた私の研究対象の関連書籍が一掃されてしまっているのは少々悲しかった。Shakespeareには及ばない作家であったか、と。まあ、自明のことだが、自分が必死に論文を書いた対象が片隅に追いやられるどころか、姿を消してしまうのは寂しいことである。

夫のほうは哲学の本を血眼になって探している。大学院で哲学とサヨナラして以来、専門書がこれほどまとまった量で目の前に出現する環境には、身を置く時間がなかったのだろう。両手に山のように本を抱えて歩き回っていた。

専門書は高くなるので、二人とも購入は自粛したつもりだったのに、なぜか大きな袋に5袋も買ってしまい、少し懐具合が寂しくなる。しかし、心のほうは妙な満足感に溢れ、お互いに購入した本を見せ合っては、2018年は初めから読書に忙しい年になるね~と、ホテルに戻ってからも興奮冷めやらぬ我々夫婦であった。

それにしても、Harvard Bookstoreのほうは年末も夜11時まで開いており、元旦も朝から営業をしていた。学生街とはいえ、本好きな観光客にも有り難いお店である。

そして、追加…

必要に迫られての買い物であるが、下着ショッピングという騒動もあった。これは、私の下着ではなく夫のものである。再び話題が気候に戻ってしまうが、寒さへの対処を事前に真剣に考えていなかったため、二人分の荷造りをした際、私はすっかり夫の防寒着に頓着していなかった。そして、彼本人も普段以外の防寒衣類を入れたかどうか、私に尋ねることも自分で確認することもしなかった。通常の寒さでは、冷え性の私と比べて、「寒い」という言葉を発しない夫である。冬でも汗びっしょりのこともしばしばあるので、雪の中を長時間ハイキングする時ぐらいしか、特別に冬の下着を身に着けることなどない。

だが、彼の寒さへの耐性を過大評価してしまっていた。今回はRochesterの日常生活と違い、車から降りればすぐに建物の中、というのではない。さらにマイナス10度越えの気候で、私自身もヒートテックのタイツを2枚重ねする状態。夏冬兼用のズボンだけを履いた夫は、到着した途端に「寒い、寒い」を連発し始め、初日から我々は下着探しに右往左往することに。

残念ながら、Harvard Sq.付近には下着を売っているような店はない。ようやく一軒見つけたマラソン関連の衣類を売る専門店で、ランニング用の高価なレギングと靴下を購入。この日はこれで大丈夫であったが、毎日同じものを着用するわけにはいかないので、もっと安い(というよりい下着なので普通の値段の)ものを求めて、結局モールやダウンタウンのユニクロにまで足を伸ばす羽目に。

ヒートテック系の品物は女性向けには大量に売られているのに、男性は冷え性が少ないからだろうか。どこへ行っても適当なサイズがなかったり、品質の悪いものしかなかったり、かなり手こずる買い物であった。ネットで探せばそれなりにあるのだろうが、切羽詰まったニーズに応えなくてはならないため、結構ストレスのかかるショッピングとなった。

Newbury Streetのユニクロ。電車で15分以内の場所に2つも店舗があるとは、Bostonは恵まれすぎである。

 

ボストン旅行~「ご機嫌」編

寒波を真剣に考慮に入れずにプランを立ててしまったが故に、行けずじまいになった目的地が多い旅行となったが、その中で気持を落ち着かせてくれたのがMuseum of Fine Artsである。いつだったか詳細は覚えていないが、このボストン美術館の作品群、私が幼い時に関西で紹介されている。母が絵画好きで、その展覧会に行った時の書籍や絵葉書などが実家に保管されているため、この美術館の作品には昔から馴染みがあり、馴染みのあるもの故の懐かしさを覚える私である。

それに館内は暖かい(笑)!本気で息抜きが出来た。

この日は金曜日で夜10時まで開いているのも、夜族の我々にとっては有り難かった。カフェテリアは開いていないが、人が少なくて夜の訪問も乙なもの。時々、誰もいない部屋に一人でいると、彫像などが動き出しそうで不気味な時も…ジャンルは違うが、まるで『ナイト・ミュージアム』の世界。

久々に上着を脱いで、くつろいだ時間を過ごせる観光地で、二人揃ってご機嫌な夕べとなった。

 

そしてご機嫌になったと言えば、夫のMIT訪問!私が友人と出会って長いお茶をしている間、彼は一人でMITの博物館や大学近辺を散策したのだが、これが予想通り、かなりツボにはまったようで、寒い中も精力的に歩き回ったことが彼の撮った写真から分かる。

夫は、大学進学の時になぜかMITを受験せず、Rochesterに来てしまったという経緯があるため、そこで受験して合格していれば、彼の人生は全く違っていたものになったはず…ということで、彼なりに思い入れのある学校なのである。その地にようやく足を踏み入れることが出来、かなり嬉しかったに違いない。MIT訪問後、その興奮冷めやらぬ様子に、私も私の友人もほんんわかした気持ちにさせられた。行ったことがなくても思い入れの強い場所、というのが誰にでもあると思うが、夫がそうした気持ちを素直に表現してくれて、一緒にボストンに来て(一人で周らせてしまったが)良かったなと感じた。

MIT側から見たダウンタウン

 

ボストン旅行~「ダウンタウン観光」編

観光失敗記録に続き、少しは成功例もあったので、そちらをご紹介。まず、Paul Revere House訪問から。Paul Revereはアメリカでは歴史の教科書に必ず出てくる人物だろう。独立戦争中、レキシントン・コンコードの戦いで伝令として大役を果たしたことで有名である。家のほうは博物館になるまでは、かなり荒れ放題だったようで、今もサインがなければ見落としてしまいそうな所にひっそりと佇んでいる。初めて中に入ったが、小ぶりならがもPaul Revereの人となりについて色々と学べるようになっている。

そこからフリーダムトレイル沿いに5分歩くと、Paul Revere Statueが立っているのが見え、その先には、彼がイギリス軍の襲撃告知にランタンを灯すよう指示した舞台、Old North Churchがある。この段階に及んで雪が横なぐりに降り始めた。夏も綺麗な地区だが、冬もまた趣のある景色だと感じた。

そして、こちらは別の日となるが、Boston Common。地面が見事に凍り付いており、行き交う人も少ない。木々も寂しい風体をさらしているこの時期にここを訪れるのは、我々のような物好きな観光客だけだろう。

ボストンコモンの向かい側には、マサチューセッツ州議事堂。地図で言えばBeacon Hillに位置する建物で、その地区名の通り「丘」の上にそそり立っていることが、この角度からよく分かる。

Boston Commonを西側に抜けて(寒いので、もちろん地下鉄での移動)、少し先に進んだところにはボストン公共図書館もある。日本語書籍も結構揃っているが、建物自体も内側、外側双方が美しく、こんな施設を無料で利用できる近隣住民はラッキーだなと思う。

もちろん、お上りさんらしく、Prudential Centerの展望台にも上ってみる。

遠くまで見渡せるだろうと期待したが、その目的であれば日中の明るい時に行くのであった。年末年始はオフィスが休業していることもあり、全体的に暗く、あまり活気のない夜景である。川の向こうなどは単なる暗闇でよく見えない。ともあれ、CITGOのサインとFenway Parkを写真に収められたのだから良しとしようか。

ちなみに、個人的な話だが、このCITGOのサインを見るたびに「ボストンに戻った」とホッとした気持ちになる私である。日本からボストンに到着し、空港からはいつもタクシーや乗り合いバスを利用していた。Cambridgeに向かう際は、まず空港からすぐに長いトンネルへと入る。そして、それを抜けて外に出て来た時に目にする景色が、この醜いガソリンスタンドのサインなのである。醜いのだが、原風景とも言える。今回の旅行では、反対方向から車でボストンに入ったため、到着してすぐにこれが拝めなくて少し寂しかった(苦笑)。

ボストン旅行~「観光失敗」編

まだ思い出したように続いている旅行記録。ケンブリッジに続いて、今回は全くもって豪勢にいかなかった観光について。

この日は、まずは歴史方面から攻めようということで、張り切って、フリーダムトレイルの終着点Bunker Hill Monumentへ車にて出発。天気も良く、途中、チャールズ川側沿いから見えるボストンのダウンタウン方面の景色が最高!

MonumentのあるCharlestown地区は、チャールズ川のCambridge側にあるので、車のほうが断然楽である。あっという間に到着する…とGoogle Mapのナビを頼りにし過ぎたのが失敗。この景色を見た後すぐ、渋滞に巻き込まれ、歩くほうが速いようなノロノロ運転が始まる。そして、モニュメントのすぐ傍まで行くと、観光者用の駐車スペースがない!街並みは綺麗だが、どの駐車スペースも住人用であるため、数十分の間、モニュメント周囲を巡回。

Charlestownの街並み。はるか向こうに対岸のダウンタウンのビル群。

そして、ようやくモニュメントの片側に訪問者用のスポットを発見。ホッとして車を駐車し、外に出ると猛烈な突風が吹き荒れている。丘の上だから仕方がないが、数分で凍え死にそうな寒さ。

だが、折角来たのだから、モニュメントのてっぺんまで登らねば、と勇んで入り口に向かったところ…封鎖されている!カレンダー上は開いている日時であるのに、閉まっている!我々と同様に、寒い中、期待を膨らませて扉にたどり着いた観光客がチラホラ。

仕方がないので、風の吹き荒れる中、記念写真だけで終了。

澄んだ空の下、モニュメントの頂上から眺めるボストンの景色はさぞかし綺麗だっただことだろう。

モニュメントで意気消沈させられたため、それならば、すぐ近くのUSS Constitutionの帆船博物館へ移動しよう、ということで再びドライブ。数分で到着する距離であった。

しか~し!時すでに遅し。この日は寒さで観光客も少ないので、普段より早めに閉館することにしたと係員に宣告される。寒い時には、特に午後は、外周りの観光をするものではない。2度も残念な思いをさせられ、完全に観光への意欲が萎えた日であった。

柵の外から恨めしそうに見るだけで終わったUSS Constitution。断然、夏がおススメな観光地。

この失敗から得た教訓:

1.極端な気候の時には各施設のウェブサイトは当てにならない。

2.都市部では、近道や抜け道を知らない限り、極力ドライブは避けるべし。ナビに頼りながらのノロノロ運転は、旅の高揚気分をかなり盛り下げる。

3.夜型人間でも旅行中は少しは朝型になって、午前中から観光を開始すべし。

ボストン旅行~「ケンブリッジ観光もどき」編

旅行には観光がつきもの。宿をとったケンブリッジ市内は、私は住んでいた場所なので、「観光」というよりノスタルジアを感じるほうが多かったが、夫はほぼ初めてなので、ホテル近郊のHarvard Yardから私がかつて住んでいたPorter Square周辺までをガイドして回った。

Harvard Yardはいつも通り観光客が大勢いたが、寒さのため、皆がものすごいスピードで写真撮影をして、あっという間に退散していた。その他には人影も少なく、クリスマス休暇のためにWidner Libraryも中央の扉を閉めているため、普段より寒々としている。

Widner Library前

Emerson Hallは哲学専攻の夫のお目当て

どの季節も綺麗なHarvard Memorial Church

Yardの建物は通常もIDを持つ大学関係者以外は中に入ることが出来ないが、Science Centerのカフェならば一般人も利用できる…と甘く考えていたところ、クリスマス休暇中はしっかり扉が閉じられていた。他の建物にあるカフェも残念ながら休業中で、冷たくなった体を温める場所がない。

昔は、この赤い椅子は並んでいなかった。なかなか可愛らしい雰囲気を醸し出している。

どこもかしこも閉まっているなと思いつつ進んで行くと、Memorial Hallに人が出入りしている。ここは普段は1年生が食事をするホールだが、大きなシアターも入っている。

ステンドグラスも綺麗だが、まずは暖を取るために中に入るのが必須!と勇んで扉を開けると、廊下ではこんな中世風の姿をした方々が。

“The Christmas Revels”というパフォーマンスが毎年12月に行われているのだが、これの最終公演が始まる前だったらしい。役者さんたちが最後の準備に取り掛かっているところだった。留学時代に1度誘われて観に行ったことがあるが、毎年異なるテーマで(2017年はベネチア)アマチュアの俳優による歌やダンスを楽しめる。公演の終わりには、観客もこの廊下に出てきて、全員で一緒に踊るというオマケつきの楽しいパフォーマンスである。残念ながらこの度は観ることは叶わなかったが、ほんの少し、愉しい雰囲気を味わえた。

Memorial Hallの通り向こうの消防署もまだまだクリスマス気分。

そして、雪の中でもまだ置かれている自転車。

実は、このシェアバイク(+自転車専用道)は私が学生の頃にはないものだった。急いでいる時など、ちょこっと自転車で走れたなら楽なことだろう。こんな雪の中、どうしてまだ放置してあるのかと思っていたが、滞在中2回ほど、冷たい風にもめげず、これを利用している人がいるのを目撃。てくてく歩くよりは速く目的地に到着するからマシなのか…あ、でも日本でも多少の雨雪では乗るんだった、と日本にいた頃を久々に思い出したのであった。

古くからある建物は、もちろん改修されながらもきちんと残されているHarvard Square周辺だが、かつてはパーキングだった場所にガラス張りの綺麗な校舎が立っていたり、いくら考えても何があったか思い出せないスポットに豪奢な施設ができたりしている。すぐ近くに住む友人宅も訪ねたが、彼女たちの家も改築をして素晴らしく生まれ変わっており、月日の流れを感じさせられた。

ちなみに、この友人は今話題の人、マサチューセッツ州上院議員エリザベス・ウォーレンのご近所さんである。私が留学中は彼女はロー・スクールでまだ教えていた頃なので、その辺りで何度もすれ違っていたのだろう。もっと誰とでも社交的にしておくのだったなどとミーハーな考えが頭をよぎるが、彼女にはさらに頑張って欲しい。心底信頼できる政治家の一人である。

鳥たちは餌を求めて大忙し。

ボストン旅行~「食べ物」編

家族旅行ではキッチンが必須であること、部屋が複数必要であることから最近はAirbnbばかりを使っているが、今回は夫と2人であるし、記念旅行ということもあり、珍しくホテルに宿泊。

Harvard YardからすぐのHotel Veritasに泊まった。メンテナンスのために、指定されている時間より早く、シャワーを浴びようかという時にお湯が突然止まるハプニングがあり、その時はかなり2人で腹を立てていたのだが、苦情を言うと、その場で高額なバレーパーキング6泊分を無料にしてくれたので善しとする(現金な我々である)。部屋に冷蔵庫がないので、自ずとと3食(というより2食にまとめたが)外食となり、さまざまなお店を試すことができた。

ただ、多くのレストランが年末で閉店しているのは予想外だった。観光客の多い夏は別として、Harvard Squareのような学生街は、長期休暇の時はレストランも休業や時間短縮をするのは当たり前だが、そんな当然の知識がストンと記憶から抜け落ちていた。

私が学生だった頃とお店が随分変わっているため、知っている店があるとはいえ、レストランをかなり検索した。だが、グーグルマップで「開店中」とされていても、夕方にお客の出足で早々に閉店を判断してしまう店もあったり、ホームページに表示しないまま、営業時間を変えているお店があったようで、目的地に行くと扉が閉まっており、特に長い間、寒さの中を歩いて到着した後はガッカリさせられた。

そうした欲求不満も多い中、楽しめたお店の一つが、地下鉄でHarvard Squareの次の駅、Central Squareからすぐの所にあるVeggie Galaxyというヴィーガン・ダイナー。早朝から夜遅くまでパンケーキなどの朝食用メニューが1日中食べられ、さらにヴィーガンということで、甘党ベジタリアンの我々にはぴったり。少しテーマパーク的な宇宙空間を呈したダイナーで楽しかった。MITもすぐ近くで、学生が戻ってくればさらに混み合うのだろうという雰囲気の、賑やかで明るいお店だった。

そして、もう一つ。ボストンと言えば……おそらく、クラムチャウダーやロブスターを思い浮かべる人が多いのだろうが、ベジタリアンになる前からその類が苦手だった私。よって、ボストンと言えば、私の頭の中では「カノーリ」である。チーズが嫌いな私だが、カノーリはなぜかOK。イタリアンレストランが立ち並ぶNorth Endのカノーリは、いつ行っても最高である。イタリア料理店で美味しいパスタも食したが、あの周辺はデザートが充実していること!そして他の地域に比べると安い!ショーウィンドウごと持って帰りたくなった。

もともとNorth Endでの食事は、結婚5周年を祝してお洒落に決めようという企画だった。2人でドレスアップして、いつもより高めのイタリアンで優雅に夕食を取って…となるはずだったが、どうも寒さのせいで、思う通りには事が運ばない。袖のない薄いドレスを着てかろうじて歩けるのは、ホテルの中だけという寒さ。レストランまでタクシーを飛ばすとしても、タクシーの中でも凍えそうだし、レストランがどこまで暖いのかも分からない。

そうした天候上の理由により、やむなくドレスアップはなし。高めのイタリアンで優雅にではなく、「普通に」美味しいヴィーガンパスタをいただき、近くのデザート専門店に移動して、(実際はカノーリ1種類を頼んだだけだが)こんな豪華なケーキが並ぶのを横に見ながらカプチーノを飲み、幸せな夜だった。

ちなみに、12月28日が結婚記念日であったが、当日は寒さで夕方までに2人とも疲れ果て、North Endにたどり着けたのは30日。そして、デザート店も人の往来が激しく、隙間風がかなり吹き荒れていたため、ダウンジャケットを装着したままの飲食、と天候のためにまったくロマンチックではなかった。だが、甘いものを沢山口にできたのだから、それ以上望むことはない。どこまでも甘党の私と夫である。

ボストン旅行~「寒かった」編

ボストンから戻って10日経つ。極寒の中を歩き回ったので風邪をひくのではないかと思っていたが、やはり予想通り。家に戻って翌日から新年の仕事が矢継早に入る中、そして、ロチェスター自体も例年にない寒さで雪と氷に閉ざされた1週間、鼻水や咳に攻撃された。ここ数日、マイナス15度超えの日々が過ぎ、零下どころかプラス5度を上回る気候となって、風邪のほうも一段落してくれたので、体調のよくなったところで、極寒のボストン体験を覚えているうちに…。


今回の旅行は「結婚5周年」という銘を打っての夫婦旅行だったが、あまりの寒さで5周年の嬉しさを噛みしめる暇がなかったような気がする。「生きて帰って来られて良かったなぁ」とうような、南極遠征にでも行ったかのような気分で、夫婦で共に(それが単なる極度の寒さであれ)苦難を耐える意義を教えられた旅であった。この5年、子どものことや健康問題諸々、さまざまな問題が噴出した我が家族であるので、さらに次の5年も2人で暴風雪に立ち向かえという啓示だったのかもしれない。

兎にも角にも、この結婚記念旅行は寒かった!マイナス20度近い気温が毎日続く中、観光するのは寒かった!夫のカメラにも私のカメラにも今回の旅行中はあまり写真が残っていない。寒すぎて、手袋を外せない、長い間外で立っていられない、故にカメラを長時間構える余裕がなかったというのが理由である。写真を撮っても急いでいるので、いずれも微妙に傾いていて必ず修正が必要なものが多い。

次の記念旅行は南半球か、米国内でも南部に飛ぶべきだと目論見中…と寒さのことを書きながら、極寒PTSDにかかっていることを認識。

Harvard Law School 図書館前。雪が沢山あるわけでもないのに、キンキンに冷え切っていた。

だが、実際には楽しいことも沢山あったし、ボストンについて、というより旅行自体についての新しい発見もあった。私は留学中やその後に知り合った友人がボストン近郊にいるので、約10年ぶりに出会って話をすることが出来て楽しかったし、夫も紹介できて良かった。天候ばかりに終始しないで、そうしたことを次はアップする予定。

だが、やはり寒かった(笑)。

凍りつくチャールズ川

平成30年/2018年

平成も30年にもなってしまったか…アメリカに来てから元号を使わないので、さして意識していなかったが、平成天皇の退位まであと少しとなり、「30」と区切りの良い数字になったので、元号の数に自分の人生をふと重ね合わせてしまう。さらには、これも母から言われて気付いたことだが、私は今年は年女らしい。年女だからと何か特別なことをする予定もないが、干支が数周りしてきたということに少し感慨を覚えてしまう。

さて、昨年末に知り合いに手紙を書こうとして、日本語表現がなかなか頭に思い浮かばないことに驚愕し、平成30年度、2018年度は毎日のブログ執筆で日本語力を鍛えようと思っていたのもつかの間、すでに今年も5日になってしまっている。よって、「2017年度よりは頻繁に」ブログ諸々で日本語力に磨きをかけるという方向で下方修正。

翻訳の仕事をしながら、日本語力の低下が見られるというのは、実際、あってはならないことだが、近頃マーケティング文書ばかりを扱っており、一定の種類の語彙表現しか触れていない。さらには、以前に比べてネットを介して文章を読むことが多くなったため、自ずと読みやすい文章(=トピックにすでに馴染みがあるもの)を取捨選択してしまうようで、自分にとって難解なものをインプットする機会が激減しているような気がする。

情報を瞬時にして入手できる今の時代、外国語同様、母国語さえも意識して脳に取り込み、アウトプットも頻繁に行わなくては、意識しない間に脳内から適切な言語能力消え去ってしまいそう…というのは大げさだが、一個人として、言語使用力の劣化を防ぐように今年も頑張りたいと思うのである。その一つの手段としてのブログ、もう少し活かしていきたいところである。

それにしても、この新年は寒い。今日も日中がマイナス17度(体感気温マイナス30度!)極寒ボストン旅行を終えて、予想通り風邪をひいてしまったので、週明けに気温が普通に戻るまでは暖かい部屋に閉じこもって仕事をするに限る。皆さまも風邪などにはお気をつけを!