ボストン旅行~「食べ物」編

家族旅行ではキッチンが必須であること、部屋が複数必要であることから最近はAirbnbばかりを使っているが、今回は夫と2人であるし、記念旅行ということもあり、珍しくホテルに宿泊。

Harvard YardからすぐのHotel Veritasに泊まった。メンテナンスのために、指定されている時間より早く、シャワーを浴びようかという時にお湯が突然止まるハプニングがあり、その時はかなり2人で腹を立てていたのだが、苦情を言うと、その場で高額なバレーパーキング6泊分を無料にしてくれたので善しとする(現金な我々である)。部屋に冷蔵庫がないので、自ずとと3食(というより2食にまとめたが)外食となり、さまざまなお店を試すことができた。

ただ、多くのレストランが年末で閉店しているのは予想外だった。観光客の多い夏は別として、Harvard Squareのような学生街は、長期休暇の時はレストランも休業や時間短縮をするのは当たり前だが、そんな当然の知識がストンと記憶から抜け落ちていた。

私が学生だった頃とお店が随分変わっているため、知っている店があるとはいえ、レストランをかなり検索した。だが、グーグルマップで「開店中」とされていても、夕方にお客の出足で早々に閉店を判断してしまう店もあったり、ホームページに表示しないまま、営業時間を変えているお店があったようで、目的地に行くと扉が閉まっており、特に長い間、寒さの中を歩いて到着した後はガッカリさせられた。

そうした欲求不満も多い中、楽しめたお店の一つが、地下鉄でHarvard Squareの次の駅、Central Squareからすぐの所にあるVeggie Galaxyというヴィーガン・ダイナー。早朝から夜遅くまでパンケーキなどの朝食用メニューが1日中食べられ、さらにヴィーガンということで、甘党ベジタリアンの我々にはぴったり。少しテーマパーク的な宇宙空間を呈したダイナーで楽しかった。MITもすぐ近くで、学生が戻ってくればさらに混み合うのだろうという雰囲気の、賑やかで明るいお店だった。

そして、もう一つ。ボストンと言えば……おそらく、クラムチャウダーやロブスターを思い浮かべる人が多いのだろうが、ベジタリアンになる前からその類が苦手だった私。よって、ボストンと言えば、私の頭の中では「カノーリ」である。チーズが嫌いな私だが、カノーリはなぜかOK。イタリアンレストランが立ち並ぶNorth Endのカノーリは、いつ行っても最高である。イタリア料理店で美味しいパスタも食したが、あの周辺はデザートが充実していること!そして他の地域に比べると安い!ショーウィンドウごと持って帰りたくなった。

もともとNorth Endでの食事は、結婚5周年を祝してお洒落に決めようという企画だった。2人でドレスアップして、いつもより高めのイタリアンで優雅に夕食を取って…となるはずだったが、どうも寒さのせいで、思う通りには事が運ばない。袖のない薄いドレスを着てかろうじて歩けるのは、ホテルの中だけという寒さ。レストランまでタクシーを飛ばすとしても、タクシーの中でも凍えそうだし、レストランがどこまで暖いのかも分からない。

そうした天候上の理由により、やむなくドレスアップはなし。高めのイタリアンで優雅にではなく、「普通に」美味しいヴィーガンパスタをいただき、近くのデザート専門店に移動して、(実際はカノーリ1種類を頼んだだけだが)こんな豪華なケーキが並ぶのを横に見ながらカプチーノを飲み、幸せな夜だった。

ちなみに、12月28日が結婚記念日であったが、当日は寒さで夕方までに2人とも疲れ果て、North Endにたどり着けたのは30日。そして、デザート店も人の往来が激しく、隙間風がかなり吹き荒れていたため、ダウンジャケットを装着したままの飲食、と天候のためにまったくロマンチックではなかった。だが、甘いものを沢山口にできたのだから、それ以上望むことはない。どこまでも甘党の私と夫である。

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